寵愛の姫 Ⅱ【完】



「莉茉。」



驚きに目を丸くする私を、慣れ親しんだ暁の腕が引き寄せた。




安心する香りと体温に自分の顔が緩むのが分かる。



「暁、どうしたの?」


「俺のシャツ1枚で出て来るな。」


「…だって…。」



顔が朱に染まった。



「…暁の香りがしたから…。」



安心したんだもん。
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