寵愛の姫 Ⅱ【完】



両親からの育児放棄に近い扱いに、莉茉ちゃんの中で食事をすると言う概念が薄れてしまっているのだろう。




そんな彼女の境遇を知る暁は、切なげな目をした。


「……莉茉、勘弁してくれ。」


「っ、」



溜め息を吐き出した暁に莉茉ちゃんが身体を強張らせる。



「っ、ごめんな――」


「それ以上、お前が痩せたら抱き心地が悪くなるだろ。」



………はっ?
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