最強女総長×俺様総長Ⅱ


ユウシ「はい、零」


凛(零)「あ、さんきゅ」


あたしはそう言ってユウシが淹れてくれたコーヒーをリビングのソファで飲む


あたしの隣にはコウスケとイルヤが陣取っている


あれから数時間して全員が泣き止み、リビングに来た


凛(零)「ユウシ、悪いな。

ご飯作ろうとしたけどこの有様で作れないからな」


あたしはコーヒーカップをテーブルに置きながら言った


コウスケ「え?怪我!?」


イルヤ「凛、怪我してるの?」


料理を作れないということは怪我をしていると関連付けた二人とも


そして、あたしに凭れていた二人はガバッと起きてあたしのことを見る


ユウト「この前の傷が開いたんだよー

しかもまた、零さんは俺らに内緒にしていたんだよー」


またを強調しながら言うユウト


凛(零)「ユウト、うるさい」


あたしはユウトを軽く睨む


ユウト「おーこわこわー」


とカウンター席に座りながらコップに口付けた


ユウシ「こら、ユウト。

零を茶化さないの」


ユウシがユウトの頭を軽く小突く


ユウト「ちぇー」


軽く拗ねるユウト


自業自得だから庇ってあげないけどな


コウスケ「零さん、もしかして俺たちのせいですか?」


瞳を揺らしながらいうコウスケ


そしてあたしの服を軽く握る手から震えが伝わってくるイルヤ


今、こいつらは自分の暴走のせいだと思っているんだろう


暴走しているときの記憶は基本ない


だから何があったのかわからない


たまにこいつら同士で何があったか笑える程度なら話しているらしいけど


深いところまですべて知っているわけではない


凛(零)「お前らのせいじゃない。

いつ傷が開いたかは知らないけど、

包帯に血が滲んできたのはお前らを止める前だからお前らのせいじゃない」


あたしは二人の頭を順番に撫でた


コウスケ「それって、傷が開いたときに俺らが暴走していなかったら酷くならなかったってことですよね?

俺たちが暴走してたから病院に行くのが遅くなってしまった。

零さんの仕事の邪魔だけはしたくなかったのに、、、

すみません、、、」


イルヤ「零。ごめんなさい」


二人とも目に涙を溜めながら言う


全く、、、


さっきまで落ち着いていたのに不安に瞳を揺らしている


ユウシ「ユウトが余計なこというから、

せっかく落ち着いたコウスケたちがまた不安になっているだろう」


溜め息交じりにいうユウシ


ユウトは俯きながらコップに目を移す


凛(零)「コウスケ、イルヤ。

これはお前らの所為じゃないから。

あたしの自業自得。

それに、南雲がもう開かないように処置してくれたから大丈夫」


あたしは二人に微笑みながら言った


心配ないと気持ちを込めて


コウスケ「零さん、、、」

イルヤ「零、、、」


ユウシ「あの医者が治療してくれたのですから、問題ないですよ。

コウスケもイルヤも自分だけ責めるのはやめてください。

零に傷を開かせたのはコウスケたちだけの所為ではありません。

俺たちにも非がある。

俺たちがまだ弱かった。ただそれだけです」


ユウシが淡々という


だけどその言葉には優しさが入っていた


コウスケ「零さん。

俺たちはもっと強くなります。

あなたを守れるように、、、」


イルヤ「零、守る」


そう言って、さっきの不安顔はもう無く意志の強い瞳をしていた


あたしは二人の頭を撫でた


二人の安心した顔をみて、あたしは立ち上がる


そして、


凛(零)「ユウト」


とまだ俯いているユウトの目の前で声をかける



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