最強女総長×俺様総長Ⅱ
ユウトはピクッと反応し、顔をゆっくり上げる
瞳が悲しく揺れる
凛(零)「ユウト。
ユウシの言葉を鵜呑みにするな。
ユウトはユウトなりにコウスケたちを慰めようとしていたんだろ?
それが、ああ言う言い方になったんだろ?」
あたしはポンポンと頭を撫でた
ユウト「(コクン)」
ユウトは頷いた
顔を上げたユウトは今にも泣きそうな顔していた
ユウトは不器用だ
凛(零)「ユウト。
お前は不器用だ。
でも、ずっと一緒にいたユウシも
仲間のコウスケたちも
みんな知っている。
だから、そんな不安になるな」
あたしはそう言って、一筋流れた涙を掬った
ユウシ「ユウト、きつく言いすぎました
不安だったのに悪いな」
ユウシはそう言って、ユウトの頭を撫でた
――――パンパン
手を叩く音でその場の雰囲気が変わる
?「はいはい。ご飯が出来たから席つけー」
そう言うのはキョウタ
ここではキョウタが一番料理が上手い
なので、ほとんどがキョウタがご飯を作る
キョウタ「ユウシもハヤトと一緒にご飯運ぶの手伝う手伝う」
と言って、ユウシの背中を押しながらキッチンに連れて行くキョウタ
コウスケとイルヤ、そして違うソファに座っていたジュンキは自分の席に座る
ユウト「零、ごめん。
そして、ありがとう」
そう言って顔をあげるユウトの顔は不安はもうなくなっていた
凛(零)「ユウト、ご飯食べよっか」
ユウト「うん!」
あたしとユウトも席につく
ハヤト「零の」
席につくと、ハヤトがあたしの前に朝食を置いた
目の前には、小さい器に入った雑炊といろいろなフルーツが乗った小皿が置かれた
こいつらもあたしが小食なのを知っている
だから、キョウタはあたしだけみんなとメニューを変えて作ってくれる
さり気なくだから優しいよな
凛(零)「ハヤト、キョウタ。
ありがとな」
ハヤト「ん」
キョウタ「どーいたしまして」
そう言って、二人とも席につく
凛(零)「じゃ、食べるか」
あたしがそういい、みんなでいただきますと言って食事をする
食事中はいつもの雰囲気に戻り、みんなが食事しながら話をする
あたしは参加せず、見ているだけだが
あ!そういえば、こいつらに伝えて置かないとな
凛(零)「今度ある診察だけど、日付ずらすから。
そこんとこよろしく」
あたしは最期に残ったりんごを口にいれた
診察のことを口にした瞬間、こいつらが一瞬にして嫌な顔をする
ユウタ「うぇー、診察やだー」
他の奴らも嫌だとは言わないが、嫌な顔をしている
コウスケ「零さん。ずらすって何かお仕事ですか?」
若干顔を引きつらせながら言うコウスケ
凛(零)「あぁ。だから、診察は終わったらな」
その言葉を聞いて、ホッとするみんな
コウスケ「俺たちに手伝えることありますか?」
凛(零)「いや今回はこっちの仕事じゃないから」
コウスケ「そうですか、、、」
イルヤ「当分、会えない?」
寂しい顔でみんながあたしをみる
ほんと、こいつらはあたし離れしないよなー
凛(零)「診察もあるんだ、すぐここに来るからそんな顔するな」
あたしはそういって、食器を流し台に持って行く
さて、そろそろ時間か
こいつらも元に戻ったし、仕事も早く終わらせたいしな
凛(零)「そろそろ行くな。
何かあったら連絡しろ。
あたしに迷惑かけたくないとか思って連絡しないとかはやめろよ?
それこそ迷惑だ。
じゃ、またな」
あたしはそう言って、持ってきた鞄を持って玄関に向かう
――――ガタッガタッ
後ろから大きな音が聞こえる
多分、全員が椅子を思いっきり引いたんだろう
バタバタ玄関に出てくる
凛(零)「それじゃ、いい子にしてなよ?」
紅蓮隊(全員)「(コクリ)」
みんな頷いた
凛(零)「んじゃ、またな」
あたしそう言って扉に手をかけ、扉を開けて外に出る
いってらっしゃいと少し大きめな声が後ろから聞こえた
あたしは手をあげた
そして、静かに扉が閉まった