懲りもせず、恋する私
手の中のメモを資料室で
開いた。


なに、誘われてんの!
今から、そっち行くから
待ってろ!


「翼…。何よ!仕事中…」

ガチャとドアが開く音。
と、同時にカチャと鍵がかかる。


「つぐみ…」
背中から抱きしめられた。

「かっ、翼…?」
「秀、イケメンだから…ときめいた?」
「そんなわけ…無いでしょ…。私は、
翼…うっ、ふっ、。」
唇を塞がれる。

「つぐみ…は、俺の、物。全部だ…」
首筋にかかる息。
彼の掌が私の体を滑る。

「あっ、だ、め…」「ヤダ…。」
ブラウスのボタンを外して
下着の中に入ってくる。
「翼…。いや…。仕事中…」
「ごめん…。あー!嫉妬した。つぐみ
真っ赤の顔するし…」

私は、翼の頬に両手で触れ

「私は、翼…だけだよ。」
私からキスした。
「そんなことして、煽ってんの??」
「ちっ違うよ…」
「今日、定時上がりだろ?」

「うん。ひと段落したからね。」
「家来いよ。」
「でも…明日も仕事だよ?」
「一緒にいたい。ダメか?」
「ふふ。じゃ、着替えとってからね。」
「車乗ってきたから、帰り地下駐車場
で、待ってる」
「うん。わかった。」
「何も持たないで出れないだろ、そこの
ファイル持ってきて」

「じゃ、先行くね。」

資料室に残った俺は、
窓を開けて、
タバコを一本吸った。

「ふー。冷静でいられねぇ…。いい大人
なんだが…」
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