懲りもせず、恋する私
私のマンションまで
送ってくれた翼は、
「ゆっくり休むんだぞ。」
沈んだままの気持ちは
無理して笑う事でしか
誤魔化せなかった。

車を何故か、
公園の駐車場に止めて
私を部屋まで連れていく。

「翼…。もう、大丈夫だから…」
「なぁ、美山になんかされたのか?」

突然、真をつく言動。
オドオドするばかりで
何も言えないでいた。

「あいつ!」
「ち、違うの…。ただ…怖かったの
私を見る目が…。」

「つぐみ…。暫くは、向こうに行く機会も増える。何かあれば、隠さず
話すんだ。わかったか?」
「翼…。付き合ってるって知られたら
私は…いいの。でも、翼に何かあれば
って…だから…一緒にいたらダメだよ」

「そんなの関係ないだろ?心配ない。
知られて困る事なんかない。
つぐみは、俺が守る。」
抱きしめられる腕の中。
「ごめんね。本当に…。」
「つぐみ…。愛してる。お前だけを」
そんな甘い言葉は
私の不安を
取り除いてくれる魔法の言葉。
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