星フル夜二


たしか、ここだったはずーーーー。



確証の無い薄っぺらい記憶でたくさんの本が敷き詰められている本棚の中から目当ての物を探す。
それは果てしない銀河から一つの星を探すみたいで。
でも、もうこれしかあなたと私を繋いでくれるものはないから。
必死に記憶の中の引き出しを探った。


暗く古い図書室に忍び込み、手元のランプを頼りに一冊ずつ上から下まで目線を移動する。
人が寝静まっているこの時間帯のここは誰も来ないだろう。
田舎の夜は静かな中にも小さな喧噪はある。
人間が寝静まったのを見計らったように、小さな虫達がその小さな体から精一杯生きているんだと叫び声を上げている。


「...あった」


ホコリのかぶった一冊の本。
恐らくここ数年誰の手にも渡っていなかったのだろう。いや、渡っていたら困るのだ。

パラパラと本の内容は見ずにページをめくる。

どこだ。はやく。


焦る気持ちを抑えつつ確実に1ページ1ページ確認する。


パラ...




「これだ」
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