ノラへの伝言
帰り道どっちからともなく手を繋いだ。デートが終わりに近づいてきて、帰りたくないって思った。離れたくなかった。けど中学生の俺にはキスする勇気もなく別れ際普通にバイバイするしかなかったんだ。                  「ノラと遊園地デートいい思い出になったよ。ありがとな。」 りこはうなづいた。そのまま俺たちはわかれてそれぞれ家路についた。              あの時なんで俺はいい思い出になったなんて言ってしまったんだろう。     また絶対デートしような!とか言わなかったんだろう。            遊園地デートが本当に思い出になってしまった。               りこは卒業式前にいなくなった。                      母親がわりに育ててくれたおばあちゃんが急になくなって母親の元に行くことになったんだと担任が言っていた。      
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