ノラへの伝言
えりかにりこからの手紙を渡された。俺宛の手紙だけが現場に残っていたそうだ。誠也へ  中学の3学期の数ヶ月誠也とほぼ毎日過ごした日々はいつも私の心の中で輝いていたよ。初めて親友ができてほんとに嬉しかったんだ。ずっと笑っていられた幸せな時間だったよ。父親がわからない事実は消すことが出来なくて。母親にも捨てられ私はノラになったんだ。血統書つきの犬にあこがれて私はいまの彼との人生を夢見てしまったの。どれだけ努力しても私はノラなんだ。彼にふられて改めてわかったよ。 
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