72億分の1
お互い頭を下げながら あいさつを交わし 部署に戻ろうとしたら、
「危ない危ない〜。」
預かった社員証が足元に落ちていた。
(これはまた後の休憩中に渡しに行こう。…じゃなくて 急いで戻らなくちゃ!)
慌てて部署に戻ったら 課長は会議でいなかった。
(セ〜〜〜〜フ……)
「渚沙〜遅かったわねぇ。」
話しかけてきたのは2つ年上の先輩の森下 南美さん。
「南美さん すみません!いろいろありまして…」
「課長のお使いも大変ねぇ。今日締め切りのデザイン大丈夫そう?」
「心配してくださってありがとうございます!世代別に分けた 女子が使いたくなるような文房具のデザインはもう少しで完成します。」
「なら安心したわ。渚沙は人が良いから断れないのよね。でも 仕事は効率良いから 本当感心するわ。」