真実の愛のカケラ
「ん、美和から電話だ。
出てきていい?」


「あぁ」


会社の同じチームの女性からの電話で、柚希は一旦席を外した。


「宮野さん拓哉の部下なんだな」


「あぁ。
付き合い始めた時は柚希が会社の人間だとは知らなかったし、柚希も俺のことをただのフリーターだと思ってたんだ」


「それでか。
それでまだ話してないんだ?

…いいのか?」


お茶を飲んで、自分を落ち着かせる。
自分でもわからない。
正直迷ってるんだ。


「わざわざ言う必要もないとも思ってる。

俺が何とかすればいい」


「できるのか?」


「やるしかない」


自分に言い聞かせるようにそう言って、またお茶を流し込む。


俺がしっかりしてれば、何も問題はないはずだ。
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