真実の愛のカケラ

「まじで付き合ってんだ…。

いいんですか？
副社長が社員に手を出して」


「好きになった相手がたまたま社員だったんだ。
どうすることもできない」


誤魔化すつもりは微塵もないんですね。


「まぁ、言いたいことはわかりますけど…。

大学生活の延長で宮野と付き合ってるなんてこと、ないですよね？」


明らかに悪意を持った一言。
正直に言おう。
俺はこの能見拓哉という男が嫌いだ。


名前は前々から聞いていた。
学生時代は相当な遊び人だったことも。


そんな男が、社長の息子ってだけで俺らの上司となる。
今まではまだ我慢できたけど、今日この男の姿を見てはっきりと思った。


こいつは俺らのことを確実に見下す。


だって、社会的な地位も手に入れて、実家は金持ちで…しかも容姿までパーフェクト。