真実の愛のカケラ
俺はバラすつもりはないけど、もし知れ渡った時は知らないふりを決め込もう。


どうにかしてギャフンと言わせてやる。
隣を見ると、やはり整った横顔がある。


屋上で風に吹かれる姿がこんなに似合う男は、副社長以外にいないんじゃないかと思うくらい様になっている。


「いやぁ、屋上っていいよな。
なんか青春って感じで。

俺、青春っぽいことしてこなかったからさー」


青春…?
急に青春とか言い出して…この人大丈夫か?


「副社長でも、そんなふざけたこと言うんですね」


「いたって真剣だけど」


いや、それすらもふざけてるようにしか聞こえませんが?


「大人になったら、熱くなることをバカにするようになるんだよな…。

もしかしたら俺もそうなのかもしんねーけど。

この会社を盛り上げたいけど、俺のやり方は受け入れられないらしい」


…悩んでるのか?
副社長でも悩んだりするんだ。
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