真実の愛のカケラ
「ふーくいさんっ」


廊下を歩く途中、高めの弾ませた声に振り返ると、毎朝挨拶を交わす女性がいた。


「あ、えーっと…」


でも名前までは知らない。
この受付嬢、なんていったっけなー…。


この会社の美人で有名な受付嬢。
そんな人が俺に何の用だ?


そういえばこの人、副社長にフラれた受付嬢のうちの1人だっけ…。


嫌な予感。


「福井さんって、副社長と仲良いみたいですね」


ニコッと効果音が聞こえてきそうなほど、整った笑顔。


今日はとことんツイてないな。
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