真実の愛のカケラ
黒い目撃者
店内は相変わらずガヤガヤしてる。


「お姉さん1人?
お隣いいですかー?」


はぁ?
誰だよ。


「もうすぐ人が来るんで」


愚かにも私の隣に座ろうと、椅子を引いた30代くらいの会社員は、まぬけにもそのまま手を離した。
酔っ払い相手にも伝わる機嫌の悪さを私が発揮したから。
声と目で。


「はぁ…」


追加したビールの入ったグラスを掴んで、一気に流し込む。


なんで私に寄ってくるのはしょうもない男ばっかりなのよ。
まぁ、貢いでくれるから私も良い思いはしてるんだけど。
でも、だからって何も満足できてない。


私は自分が求めたものを手に入れたいのに。
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