真実の愛のカケラ
だから、ここは素直に。


「寒い」


…バカだ。
全然素直になれてない。
なんでそんな言葉しか出てこないかな?
ここは積極的に甘えるところでしょ?


う…。
拓哉がこっちを見ている。
勝手にあれやこれや考えてることが恥ずかしくなって、拓哉に背中を向けてくっついた。


「寒いなら中入る?」


ほら、そのままを受け取っちゃうでしょ?
だからちゃんと言わなきゃいけないんだって。


「うそ。

…寂しい」


背中を向けてて良かった。
今、どんな顔をしていいかわからない。


拓哉はどんな反応してるんだろう?
面倒くさいなって思った?
仕方ないだろって呆れた?
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