真実の愛のカケラ
「誰かに見られると大変だから、会社には別々で行こうね」


「そうだな。
駅までなら送ろうか?」


「ううん、大丈夫」


「そっか。
あ、あとさ…」


先に靴を履いていた拓哉が向き直ってまっすぐに見つめてきた。


なんだ?
はっ!
もしかして、行ってきますのチューとか?
そ、そんなの、私にはハードル高すぎるよ!


「柚希さーん?」


「あ、ごめん。
なんでもない」


私ってば、調子に乗りやすいと言うか、自分に流されやすいというか…。
どうにかしたい。
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