真実の愛のカケラ
1人
会社から長めの休みもらったから帰ってきた。


夜行バスで実家に到着してから、家族にそう伝えて2階の自室に引きこもった。
引きこもったといっても、ほぼ1日寝てたんだけど。


心が想像できないくらいダメージを受けているのか、寝ても寝てもすっきりしなかった。


1階から、ご飯よと私を呼ぶお母さんの声が聞こえるけど、食欲なんて無かった。


真っ暗な部屋に1人。
ただただ時間だけが過ぎていく空間に置き去りにされた感覚。
本当にそうなら良いのに。


鞄に入れっぱなしだった携帯に手を伸ばす。
あ、そういえば電源落としたままだったんだ。


特に何も考えずに起動させる。


うげ…。
電源を入れて気がつく、信じられないほどの不在着信の件数。
そこに表示されるのは、時々福井や美和の名前があるだけでほとんどが拓哉からのもの。


こんなにかけてくるなんて…。
まさか探してる、とか?

しんみりして、また涙が流れそうになる。
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