真実の愛のカケラ
「いやいや。
家でごろついてるだけの女に男は惚れないって」


大袈裟に手を振って、ないないと笑い飛ばされる。


ぐさり。
圭の言うことがもっともすぎて怒りたくても怒れない。


「うん、柚希に男なんかいるはずない」


…お父さんまで。
なんで今まで黙々とご飯食べてたのに、とどめを刺すようなことを言うかな…。


「東京の男なんか軟派なやつばっかりだろ。
そんな男に騙されるな」


「う…、はい」


軟派…。
たしかに見た目はそれっぽいけど、一本筋の通った人だっているんだよ。
…もう私とは何の関係もない人だけど。


自分で思ってて、これかなり落ち込むな…。


「本当は彼氏の1人や2人いるんじゃないの?
いるなら教えなさいよ」


まったくこの家族は…!


「柚希には何もないと言ってるだろ」


「お父さんには聞いてないでしょ?
柚希だって、実は結婚を考えている相手がいるかもしれないのよ?」


「結婚だと!?」


これ以上私の傷口を広げないで…。
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