真実の愛のカケラ
帰宅する頃には、プレゼンをやり遂げた達成感と、新店舗の完成を待ちわびるワクワクで一杯だった。


部屋に入るとすぐに、物が溢れている机からゴムとピンを探し出す。
そして髪を1つに結び、鬱陶しい前髪はピンで上に上げる。


さらに仕事用のきっちりした服はその辺にポイと脱ぎ捨てて、Tシャツとジャージに着替える。


最後にコンタクトを外して眼鏡を装着。


うん。
見るからにぱっとしない女の完成。


「やっぱこの格好が1番だよねー」


誰に何と言われようとこのスタイルを変えるつもりはない。


ただ、あまり人様には見せられないという自覚はある。
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