真実の愛のカケラ
だけど、懐かしさに浸ってる場合じゃなかった。
「待ち合わせの時間になっても来ないし、電話も出ないし。
勝手に俺の前からいなくなろうとするし…」
じりじりと拓哉の静かな怒りが伝わってくる。
そりゃあ、怒られて当然のことをしてきたわけだけど…。
それをしてる私だってきつくて…。
「しかも、なんだよこれ!」
「あ!」
そう言って拓哉がスーツの内ポケットから出したのは、私が会社のデスクに置いてきた退職届。
「な、なんで持ってるの!?」
「なんでじゃないだろ、まったく…。
会社辞めたいなんて本心じゃないだろ?
昨日と今日は休み扱いになってる。
…だから帰ろう」
拓哉は私を迎えに来てくれたの?
確かに本心じゃないけど…。
でも駄目だよ、そんなの。
東京に戻った所で、私なんかとの交際は誰も認めてくれない。
それで拓哉の立場が悪くなるようなことはしたくない。
「柚希」
何も言わない私に焦れったいような声がかけられる。
それでも、何も返事が返せない。
「待ち合わせの時間になっても来ないし、電話も出ないし。
勝手に俺の前からいなくなろうとするし…」
じりじりと拓哉の静かな怒りが伝わってくる。
そりゃあ、怒られて当然のことをしてきたわけだけど…。
それをしてる私だってきつくて…。
「しかも、なんだよこれ!」
「あ!」
そう言って拓哉がスーツの内ポケットから出したのは、私が会社のデスクに置いてきた退職届。
「な、なんで持ってるの!?」
「なんでじゃないだろ、まったく…。
会社辞めたいなんて本心じゃないだろ?
昨日と今日は休み扱いになってる。
…だから帰ろう」
拓哉は私を迎えに来てくれたの?
確かに本心じゃないけど…。
でも駄目だよ、そんなの。
東京に戻った所で、私なんかとの交際は誰も認めてくれない。
それで拓哉の立場が悪くなるようなことはしたくない。
「柚希」
何も言わない私に焦れったいような声がかけられる。
それでも、何も返事が返せない。