真実の愛のカケラ
「誰だお前は。
うちの娘に何の用だ」


急にガラの悪い声に邪魔をされる。
最悪だ。
最悪のタイミングで最悪の人物が家の外に登場してしまった。


「まさかうちの娘をたぶらかしてんのか?」


お父さん…。


「え、娘って…」


「ちょっと来い」


戸惑いを隠せずにいる拓哉に対し、有無も言わさずに肩を組むお父さん。


まずい!
このままじゃ拓哉がお父さんに連れていかれてしまう!
助けなきゃ!


拓哉の目の前に立ったら最後、心なんて簡単に持っていかれてしまうんだから、ベランダからは降りないようにと思ってたのに…!
駆け足でコートを掴んで救出に向かった。

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