真実の愛のカケラ
「んなっ…!
どういうことだよこれは!

俺は幻覚でも見てるのか!?」


座るや否やまたすごいのが出てきた…。
見た感じは格好良くて、クラスの中心にいそうな男子。


「柚希の彼氏だって。
かっこいいわねぇ」


「まじかよ!
絶対明日大雪だよ!」


どういうことだ!?


でもこの感覚。
柚希と会ったときの感じに似てる…。
目の前で話が騒がしく進んでいって置いて行かれてる感じ。


そこにきゅんとしてしまってる俺も大概変だけど。


「あれが弟の圭。
かなりうるさいけど、我慢して」


「賑やかでいいじゃん」


「そう?」


別に気を使った訳じゃない。
素直にそう思った。
俺の家では絶対にこんなことはないから。


「なんだか、柚希のルーツを辿ってる気分」


「う、嬉しくないんだけど…」


そう話す間も、机を挟んだ向こう側ではガヤガヤと好き放題言われている。
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