真実の愛のカケラ
「で、姉ちゃんのどこを好きになったんだ?」


「うん、それお母さんも知りたい。
あと、能見さんがどんな人なのかも知りたいわ」


柚希から聞いてはいたが、結構グイグイくる家族だ。


俺がどんな人なのか、か…。
今目の前にいるのは普通の家族じゃない。
柚希を育て上げたちょっと変わった家族だ。
出身大学とか、副社長やってるとか言っても、そこまで興味を持ってくれないんだろうな。


もっと、俺自身の話をしないと。


「柚希さんと出会うまではつまらない人間でした。
特にやりたいこともなくてふらふらしてて。

だけど今は、会社をより良くしたいという目標ができました。
社員がもっと誇れるような会社にしたいんです。
こんな夢、恥ずかしくて誰にも言ってないんですけどね…。

柚希さんが何事にもあまりに全力なもので、影響されたんです。
そんな頑張ってる姿に心を奪われた訳でもあるんですけどね」


照れるな…。
柚希の好きな所どころか、自分の夢まで語ってしまった。
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