真実の愛のカケラ
「俺さ、柚希と出会ってから毎日が楽しいんだ。
くだらないこと話して笑いあって、ダラダラ過ごして、そんな日常がすごく大事で。
出張先で何か面白いことがあったら柚希に話したくなって、綺麗な景色見つけたら柚希と見たいなって思うんだ。

気がついたら、俺の人生は柚希と一緒に回ってた。


俺は、誰が想像するよりも以上に柚希のことが好きなんだ。
柚希がどうしようもなくなったとき、側にいたい。
最初に頼る相手が俺であってほしい。
いつでも、守ってみせるから。


…柚希、今から言う言葉は、柚希以外には一生言わない言葉だ…。


俺と結婚してほしい」


とめどなく涙が溢れてくる。
止め方を知らないかのように次から次と。


涙を拭って拓哉を見ると、小さな箱が開かれ中から何にも負けないくらいに光輝く指輪が覗いた。


「受け取ってくれる?」


「っはい」


顔を覆ったまま、そう返事しながら何度も頷いた。


「よかった」


涙の隙間から見た拓哉は、笑っているけど少しだけ目元が潤んでいるように見えた。
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