真実の愛のカケラ
落ち着いた私は梅酒を持って、拓哉の待つベランダに出た。
「はい、どうぞ」
「うん、ありがとう」
肩を寄せあって夜景を見ながら、氷を鳴らす。
私たちはどこにいても、やっぱりこのスタイルに落ち着くらしい。
「前に、恋は頭で考えてばかりじゃ駄目だって言われたことがあるんだ。
その時の俺は柚希と付き合ってたけど、社員だとは知らなくて…、どちらかというと祖父さんの考え方にもそこまで反対してなかった。
それに恋こそ頭で考えるものだろって、その意見を突っぱねた。
だけど今ならわかるよ。
頭で判断するよりも先に体が動くことがあるし、脳では心を制御できない時がある。
柚希がずっと側にいてくれることに感謝するよ」
私こそ…。
私の方こそ、こんなにも人を好きになったことなんてなかった。
こんな気持ちを知ったのも、一緒にいたいって諦めずに頑張れたのも、全部拓哉のお陰だよ。
そんな私の気持ちを伝える言葉は…
「拓哉、ありがとう」
「どういたしまして」
そう言って拓哉は私の方にグラスを傾けた。
チン、と透き通った音がまるで誓いのベルのように静かな夜空に響く。
「はい、どうぞ」
「うん、ありがとう」
肩を寄せあって夜景を見ながら、氷を鳴らす。
私たちはどこにいても、やっぱりこのスタイルに落ち着くらしい。
「前に、恋は頭で考えてばかりじゃ駄目だって言われたことがあるんだ。
その時の俺は柚希と付き合ってたけど、社員だとは知らなくて…、どちらかというと祖父さんの考え方にもそこまで反対してなかった。
それに恋こそ頭で考えるものだろって、その意見を突っぱねた。
だけど今ならわかるよ。
頭で判断するよりも先に体が動くことがあるし、脳では心を制御できない時がある。
柚希がずっと側にいてくれることに感謝するよ」
私こそ…。
私の方こそ、こんなにも人を好きになったことなんてなかった。
こんな気持ちを知ったのも、一緒にいたいって諦めずに頑張れたのも、全部拓哉のお陰だよ。
そんな私の気持ちを伝える言葉は…
「拓哉、ありがとう」
「どういたしまして」
そう言って拓哉は私の方にグラスを傾けた。
チン、と透き通った音がまるで誓いのベルのように静かな夜空に響く。