真実の愛のカケラ
私たちが付き合うようになったのはごく最近。
ストーカー被害にどうしようもなくなっている私を助けてくれたのがきっかけ。
こんな私を、何があっても守ると言ってくれる最高の人。


それに、付き合う前から私のズボラ加減は知られており、隠さなくてもいいというのもかなり嬉しい。


ただ、私がフレンチ・ボアの本社で働いていることはまだ伝えられていない。
なかなか言うタイミングが見つからない。



「人間の順応性って凄いよな。
この部屋見ても、最早何も思わなくなってきた」


入ってきて早々そんなことを言われる。
たしかに、最近は何も言われなくなった。


最初の頃、今日は片付いてるよーとベランダから下にいる拓哉に向かって言ったのだが、部屋に入った拓哉に、これは世間一般では片付いてるなんて言わない、と一刀両断されたこともあった。
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