真実の愛のカケラ
「ほら、落ちてるブラを見ても平然としていられる」


散らかった洗濯物の中からブラジャーを拾い上げている。


「ギャー!ちょっと!
エッチ!変態!」


慌てて拓哉の手から取り上げる。
何をしてくれてんだ!
私にだって羞恥心くらいあるんだから!


「だから、何とも思わないんだって。

床の上見てみ?
リモコン、空のペットボトル、使われない可哀想な掃除機、そしてブラ。
…な?」


「な?ってなによ!
こ、こう見えても会社ではモテるんだからね!
拓哉が私にこんなこと言ってるってバレたら、ボコボコにされるんだから!」


つい嘘を言ってしまった。
モテるわけがない。
大体、この話を会社でした時点でズボラさがバレて私の方がボロボロになる。
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