真実の愛のカケラ
「説明聞かなくていいのか?」


社長が拓哉を呼び止める。


「俺1人のために彼女の時間を潰すなんてできないから。

これから、よろしくお願いします。
資料読んだら、連絡しますので」


拓哉が驚いているように見えたのは錯覚だろうか?

向き合っているだけで私は心臓がバクバクいっているというのに、拓哉は完全に初対面の人として、スムーズに接する。


「は…はい。
わかりました。

こちらこそ、よろしくお願いします…。

では、失礼します」


そう口が勝手に動くと、ささっと逃げるように早足で会議室を出た。
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