真実の愛のカケラ
「おーい。
宮野柚希ぃー?
柚希ちゃーん?
ゆずゆずー?

…こりゃ駄目だ。
魂が完全にどこかをさまよってる」


「柚希さん?
そんなにショックなことがあったんですか?
社長に何を言われたんですか?」


美和に体を揺さぶられて、はっとする。
いつの間にか自分のデスクに座っていた。


「あ…。
ボーッとしてた」


「何があったんだよ」


福井から向けられる疑問の目。


たぶん、ここまで上の空になったことはない。
理由なしにこんな状態なんておかしすぎる。


でも…。
彼氏が社長の息子で、もうすぐ副社長になるんだよねー、えへへ!
なんて、冗談でも言えない。
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