真実の愛のカケラ
「超人気店にしてみせるから!」


外部の人との関係は大事だ。

でも、テコ入れのために調査に行ったときによくあるのが、その店に関わりのある人皆にいい顔をしようとして、誰の意見でも聞き入れてしまった結果迷走。
そして売り上げが落ちる。


どんな相手だろうと、こちらの要望や考えを伝えることの重要性を私たちはこれでもかというほど知っている。


ただ…。
今は外部のことまで頭が回らない。
拓哉と組む、というこの内部の状況の変わりように置いていかれてるんだから。


21時。
レストランで何があるかわからないため、私たち若手もこの時間までは帰ることができない。
でもこの時間に帰れるのはまだ早い。
何かのトラブルの対処を任されたら、深夜になってもなかなか帰れない。


21時になる少し前から帰る準備を始めて、21時ぴったりになるとそそくさと帰る福井と美和に続いて、私もオフィスを出ようとしていた。


でも、ちょうど携帯に届いたメッセージを見て足が止まった。


そこにはただ一言。
第一会議室で待つ、と。


送り主は拓哉。
< 41 / 240 >

この作品をシェア

pagetop