真実の愛のカケラ
「私だって、バイトの制服姿といつものラフな格好の拓哉しか知らないよ。

それなのに高そうなスーツなんて着ちゃってさ。
急に、社長の息子なんて言われても…」


責めるつもりなんてないのに、正しい言い方がわからない。


「ごめん。
昨日言おうと思ってたんだ。


でも、父さんから仕事について話があるって呼び出されて話せなかった。
帰り際に慌てて話すものでもなかったから」


昨日言ってた大事な話ってこのことだったんだ。
それにあの時の電話、社長からだった。


よかった。
変な心配をしてた私がばかだった。
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