真実の愛のカケラ
「そんな目で俺のこと見てたら、すぐに付き合ってることバレるぞ。

…俺だって歯止めがきかなくなるし。

いい加減もう出るぞ」


大人すぎるキスに、まだ頭が夢の中な私。


「う、うん」


普通に振る舞おうとしてみるけど、できない。


「激しすぎた?」


からかってるのか、甘い声で拓哉が言う。


「…っ!」


顔がカッと熱くなる。
そんなことを改まって聞かないでほしい!


「違うっ!
変なこと言ってないで、ほら、もう出なきゃでしょ。


行くよ!じゃあね」


「あぁ。またな」


これ以上拓哉といたら心臓がもたない。


さっきまであんなにこの会議室を出たくなかったのに、拓哉よりも先に廊下に出た。


私の少しあとに拓哉も外に出たのを感じたけど、振り返っちゃだめ。
もうこの場所ではあいさつできないんだから。


それでも、私の胸はいっぱいだった。
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