真実の愛のカケラ
扉を開くと、既に2人が来ていた。
柚希と新店舗の料理長をしてもらうシェフの堺さん。


が、えらく和やかな雰囲気。
先にメニューの話でもしてるのかもと思ったけど、そうでもなさそう。


「へー。堺さんフランス語話せるんですね。

私もフランス行ってみたいなー。
エッフェル塔も見てみたいし、ルーヴル美術館にも行ってみたい。

やっぱり行くならツアーがいいんでしょうか？」


旅行の話かよ。


「そうですね。
初めて行くならツアーをおすすめします。
日本人は詐欺の標的にされやすいですから。

しかし宮野さんには、フランス旅行に連れていくにはうってつけの人がいるではありませんか」


「うってつけの人？」


堺さんが俺の方に視線を移す。
それにつられて柚希も俺を見ているが、キョトンとしている。


…うってつけの人ってまさか俺？
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