真実の愛のカケラ
「拓哉さんなら、フランスの有名どころも、穴場スポット数多くご存知ですよ。
連れていってもらってはいかがですか?」
「え!?
連れていってって…、そ、それはまずいですよ」
あーあ。
あからさまに動揺しちゃってんじゃん。
でもまぁ、問題はない。
堺さんも、柚希が慌てることわかって言ってるんだろうな。
本当にこの人は…。
「堺さんは俺たちのことを知ってる。
この人は小さい頃からお世話になってる人で、隠し事はできないんだ。
してもすぐにバレるから。
それに、今はアパートの前にあるレストランの料理長をしてるのが堺さん。
だから俺の修行のことも知ってる」
柚希の前では温厚な老人でいるが、本当は厳しくて絶対に怒らせてはいけない人。
「へぇ。
何でも知ってるんですね」
「拓哉さんについて、知らないことなどありませんよ。
何か知りたいことがあれば、何でも訊ねてください」
この何でも知ってるという言葉が、大袈裟なんかじゃないから困るんだ。
「いいんですか!?」
隣から弾んだ声があがる。
目をやると瞳をキラキラさせている柚希がいる。
…やめてくれ。
柚希のことだから何を訊くかわからない。
でも相手が堺さんだから何を訊かれても答えてしまう。
窮地への追い込まれ方が唐突すぎるだろ。
連れていってもらってはいかがですか?」
「え!?
連れていってって…、そ、それはまずいですよ」
あーあ。
あからさまに動揺しちゃってんじゃん。
でもまぁ、問題はない。
堺さんも、柚希が慌てることわかって言ってるんだろうな。
本当にこの人は…。
「堺さんは俺たちのことを知ってる。
この人は小さい頃からお世話になってる人で、隠し事はできないんだ。
してもすぐにバレるから。
それに、今はアパートの前にあるレストランの料理長をしてるのが堺さん。
だから俺の修行のことも知ってる」
柚希の前では温厚な老人でいるが、本当は厳しくて絶対に怒らせてはいけない人。
「へぇ。
何でも知ってるんですね」
「拓哉さんについて、知らないことなどありませんよ。
何か知りたいことがあれば、何でも訊ねてください」
この何でも知ってるという言葉が、大袈裟なんかじゃないから困るんだ。
「いいんですか!?」
隣から弾んだ声があがる。
目をやると瞳をキラキラさせている柚希がいる。
…やめてくれ。
柚希のことだから何を訊くかわからない。
でも相手が堺さんだから何を訊かれても答えてしまう。
窮地への追い込まれ方が唐突すぎるだろ。