真実の愛のカケラ
「ありがとうございます、堺さん。


へぇ。
拓哉がうかれてるなんて知らなかったよ」


そ、そこ!?


柚希はニヤニヤしながらこちらを見ている。
してやったり感がハンパじゃない。


「う、かれてなんかねーよ。

…怒んねーの?
その、大学の時の話とか」


過ぎた地雷を自分から踏みに行くなんて馬鹿げてるけど、この話題が出た以上もう避けられない。


「え?
怒んないよ。
だって大学生の時の話でしょ?」


「それはそうだけど」


そんなもんなのか?
拓哉なんかサイテー、とか言われて大変なことになるかと思ったけど…。


「今は違うならいいじゃん。

大学生の拓哉に会ってたら好きになってないだろうけど」


う…。


気を抜いた瞬間に鋭い刃でえぐるのは、ダメージが大きすぎるからやめてほしい。
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