真実の愛のカケラ
「良かったではありませんか、それくらいのダメージですんで。
幻滅されてもおかしくないことですから」


堺さんには俺の心の中の言葉が漏れて聞こえているんだろうか?


「…わかってる」


柚希を好きだと気付いたとき、自分のしてきたことが嫌になった。
過去を消し去りたくなった。


もう2度とあんなことはしない。


「お待たせしました」


そこに入ってきたのはお洒落な若い女性、新店舗の内装を頼んでいる山口さんだ。


彼女が入ってきたことで、俺は仕事モードに切り替わり、柚希の目付きも変わった。
さっきまでのガヤガヤした会議室の雰囲気が一瞬にして変わる。
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