真実の愛のカケラ
「そんなの駄目だ。
まずはあと少しテーブル席を増やしてくれ」


柚希が書いているメモ帳を取り上げる。


「増やせてもあと2テーブルです。
それ以上は嫌です。
建物だってもうできてるんですから」


そう言って、再びメモ帳は柚希によって取り上げられる。


「嫌って…。

じゃあ山口さん、ここをこう詰めて席を増やしてください。
あと、この辺りも…」


図面を指しながら、山口さんに直接話す。


「ちょっと、能見さん!
何のつもりですか!」


俺のやり方が気に入らなかったのか、柚希が俺の前に割って入り声をあげる。
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