真実の愛のカケラ
社会人と恋人
拓哉に電話をかけようとして、画面を閉じる。


はぁ。
あれから1週間。
いつまで会えない日が続くんだろう。


言い争いになった次の日は連絡しようとも思わなかったけど、その次の日には連絡を待つようになって。
何度も何度も着信がきてないか確認をして。


自分からかける勇気なんてなかったけど、このままだと自然消滅なんてこともありえると、大きな危機感に襲われた。
そんなことを繰り返して、やっと今日電話帳をひらいて拓哉に電話をかけようとしたけど…どうしても最後の一押しができない。


最近は眠れないし、ベランダでくつろぐ余裕もない。
どうしたらいいんだろう、と不安ばかり。
いや、本当はどうすればいいかなんてわかってる。
なのに…できずにいるんだ。


私の電話がきっかけで、別れのカウントダウンが始まったらどうしよう、と考えてしまって。
< 80 / 240 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop