真実の愛のカケラ
拓哉だけがいると思っていたけど、会議室の中には堺さんと、知らない男性2人、女性1人がいた。
それぞれ、何かのファイルを慌ただしくめくりながら、話し合いをしている。


拓哉はというと、険しい表情で資料のような紙を見ていたが、立ち尽くす私に気付いてこちらに向かってきた。


「宮野さん。
本当は2人で話したいと思ったんだけど、そうも言ってられなくなった。

少し前に上層部から、新店舗のオープンを早めたいと言われた。
まだまだ残されていた余裕がなく無くなった。


だから堺さん達にもメニュー考案をしてもらってる」


オープンが早まった!?


「まったく、拓哉さんも人使いが荒くて困りますよ。

彼らは新店舗で働く料理人達です。
今日大体のメニューを考えて、明日には試しに作ってメニューを決定しようと思います」


相当時間に追われているということはわかった。


オープンはまだまだ先だという思いが、この1週間会議をしないということに繋がったのに。
そんな暇なんて作っちゃいけなかった。


私もこうしちゃいられない!


「宮野さんにはこれの確認をしてほしいんだ」


拓哉から手渡されたのは1枚の紙。
それは山口さんに内装のイメージを伝えるためのものだった。
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