真実の愛のカケラ
それからは、もう夜中だというのに店内をゆっくりと歩いて見て回った。


明日はここがお客さんでいっぱいになっていると良いな。
そんな期待に胸を膨らませて。


「そろそろ帰るぞ。
アパートまで送る」


出入口の扉を開きながら、私のことを待ってくれている拓哉。


「はーい」


名残惜しくはあるけど、拓哉の腕に飛び移る。
ウキウキして仕方がない。
笑い声すら溢れる。


「楽しみだな」


「うん!」


はしゃぐ私を見守ってくれる大人な拓哉に甘えながら、駐車場までの静けさに包まれた道を歩く。
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