オンナノコはカワイイでできてる
「冗談でしょ?」
冗談にしてほしい。
私は今、陸空のことでいっぱいなのだ。
もう何年もピクリとも動かなかった心のある部分が動き出して戸惑ってるのだ。
もうこれ以上ムリなのだ!
「どうして冗談にしたいんですか?
僕のことキライですか?」
「嫌いじゃないよ。誰も好きになったりしたくないの、今は。誰かを想ったりしたくないの!」
「今までが辛かったから?
和奏さん、なんかトラウマでも?」
「トラウマなんかないわよ!
経験、経験値。もう誰かのことを想って喜んだり落ち込んだりしたくないだけ。私だけの時間を私だけに使いたいの。三次元には興味ないの!」
だから離して…
そう呟いて岡野くんをそっと押した。
少し寂しそうな顔で
「和奏さんがその気になるまで僕は待ちますから」
気を付けてかえってください
そう言って去っていった。