お姫様になりたくて
「左様でございますか…
では、寝所の準備をすぐさせましょう…」
そう言うと刑部卿局は、侍女たちに
指示を出しはじめた。
…良かった、、、
これで、一人で考える時間ができる。
しかし、色々段取りがあるらしく
侍女たちは慌ただしい。
なんか、申し訳ない…
どこか一人になれる所がないかと、
立ち上がろうとしても、着物が重い!!
立ち上がって、部屋から庭を眺めていると
東屋(あずまや)が見えた。
「あの…、あの東屋に行ってみたいんですけど…」
そう言いながら振り返ると、お千代が
「はい。」と、頷いてくれた。
それにしても、この着物は動きづらい!
大変だ…
東屋につくと、お千代が侍女たちと少し離れた所で、待っていてくれた。