指先からはじまるSweet Magic
「……ありがとう、圭斗」


瞳に涙が浮かぶのを感じながら、私はそっと圭斗を振り返った。
私の髪を撫でる圭斗の手をそっと捕まえて、指を絡み合わせるように握り締めた。


この手がいつも私を笑顔にしてくれた。
この指じゃなきゃ、私に最高の魔法は与えられない。


他の誰でもない。
圭斗じゃなきゃ、ダメなんだ。


「……圭斗。もっともっと一緒にいたい。私……圭斗のこと、好きだよ」


こんなことを言うのはいつ以来だろう、なんて、冷静なことを考えた。
大きく目を丸くした圭斗の反応のせいで、どうしようもなく照れ臭かったから。


「里奈……」

「な、なんとか言ってよ。これでもすごく恥ずかしいんだからっ……」


圭斗のまん丸の瞳に晒されて、頬が熱く火照るのがわかる。
照れ隠しに頬を膨らませながら顔を背けた私に。


「うん。……じゃあ、もっともっと一緒にいよう」


目を細めてそう言ってから、どんな光の中でも色褪せない、圭斗らしい明るい笑みを浮かべた。
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