指先からはじまるSweet Magic
君にプロポーズをリザーブ
『じゃあ、もっと一緒にいようか』


そんな甘い言葉を囁いた圭斗の車に乗せられて向かった先は、『Angelina』からほんの十分程度の超高級住宅街だった。


芸能人や著名人が住んでいそうなハイクオリティのマンションが立ち並ぶ中。
見るからに立派な高層マンションの駐車場に車を停めて、圭斗は涼しい顔をして私を誘う。


あんな甘い囁きを耳にして、私の心臓はフル回転していた。


確かに言った。
もっともっと一緒にいたい、って。


でもそれはどっちかって言うと『これからも』って意味に近くて……ついさっき気持ちを通じ合わせたばかりなのに、これはちょっと早いんじゃないか……なんて、車の中でも悶々と考えていたというのに。


一体このマンションのどこに……誰を訪ねて行くんだろう。


「あ、あの、圭斗?」


圭斗に腕を引かれながら、ただ必死に足を回転させる。
ん?と、圭斗が短い声と同時に私を振り返った。


「ここ……」


セキュリティ万全の豪華なエントランスに足を踏み入れながら、ああ、と圭斗が微笑んだ。


「あのね。俺、この機に一人暮らし始めたんだ。一週間前から、ここが俺の家」

「えっ!?」


サラッと告げられた事実に、ただ目を丸くした。
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