モテない俺は顔が悪い訳ではない。
「あのなぁ、お前がモテないのは今に始まった事じゃねーだろ?」
「俺だって彼女の1人や2人や3人や4人ほしい!」
「知ってるか?お前みたいなのを世間では浮気者って言うんだよ。」
駿太は冷たい目で俺を見ている。
「ちゃうちゃう、じょーだん!ジョークだよ~。」
「なんかうぜー。マジでうっぜー。」
「そんなに本気な顔で言うなよ…。…あ!本気と書いて、マジと読むから!」
「頼むから地獄におちてくれ。」
「すみません…。」
じゃねーよ!
「俺はエンジョイしたいんだー!!彼女ほしーんだぁーーー!」
放課後の誰もいない教室で、俺だけの声が響く。
「そうゆう行動してるから女が幻滅するんだろーが。」
え……。
「お前はな、顔はまぁいいんだよ。身長だってそこそこあるし、太ってもいなけりゃあかといって痩せてる訳でもない。」
「ほうほう。」
「しかし、その性格だ。」
ビシッと指を指される。
「はっきり言って友達止まりな性格。恋愛対象外。そのうざさが女を近付けさせない。」
ヤバい…。心が痛い……。
「だってお前、恋愛経験ないだろ?好きな人すら聞いたことねーし。」
「好きな人くらいいるさ。」
「嘘だろ?」
ギクッ……。
「だってまず、女に興味なさそうな顔してるし。知ってるか?一部の間では男好き疑惑出てんだぞ?」
「いや初耳だっちゅーの。」
「だからキモい。」
「さーせん。」