壊れた心は
零
「手は、尽くしましたが…」
「な、んで…なんで…なんで、だよ…」
手術着に白衣を羽織った男が目を伏せながら言葉を濁した。
「ふざけんなよ…ふざけんな…」
ベッドには静かに横たわっている男。
その傍で床に膝をつき、呆然と呟く美少女。
「なんでこうなんだよ…」
「一命は取り留めましたが…目を覚ますことはないでしょう…」
「ふざけんなよ…なんでだよ…陽が…父さんがなにしたってんだよ…!」
ベッドに突っ伏した美少女は男の手を強く握って慟哭した。