壊れた心は
壱
「ん"ん…」
鶏の鳴き声のようなアラームがけたたましい音を立てて鳴り出し、あたしは低い呻き声を上げた。
「…朝か…」
ゆっくり起き上がりアラームを止めた。
画面を見ると、時刻は7時。
何故こんなに早く設定してあるのかと一瞬考えた。
「あぁ…入学式…」
そういえば入学式だからと早めに設定した気がする。
「だる…」
ぼやきながらパジャマ代わりの浴衣を脱ぎ捨て風呂場へ向かった。
シャワーを浴びてまだ寝ぼけている意識をはっきりさせ、支度を整える。
髪には茶金色のスプレーを、メイクはギャルメイクで制服は着崩しまくって夏目咲良という女を完成させた。
リビングに放ってあったバッグを持って家を出る。
バイクの鍵を指に引っ掛けくるくると回しながら駐輪場に向かった。