壊れた心は
「「「………え?」」」
ハモった三人に、魁は大きく溜息を吐いた。
「気づくかなーと思って暫く放置してたけど全然気づかないんだもん、びっくりだよ」
魁は三人がバイクを見つけて持ち主がタクシーで帰るまでを見ていたようで、彼らにそれを話した。
「なんでもっと早く言ってくれなかったんだよー!俺たち待ち損じゃん!」
「でも持ち主が俺たちのこと見てたなんて…」
「気づかなかったな…」
険しい顔で呟いた黒髪を見逃さず、魁はニヤリと笑った。
「おまえら鈍ってんじゃないのー?」
「はぁ!?鈍ってねーし!」
そんな魁に噛みつきそうな勢いで否定した赤髪。
「でもそうじゃなかったらそのバイクの人、相当な実力の持ち主ってことだよ?
そんな風には見えなかったけどなぁ」
「そんな風にって、じゃあどんな風に見えたんだよ?」
魁の意味深な言葉に黒髪は首を傾げて魁を見た。
「だって普通のギャルだったよ」
「「「…ギャル?」」」