FDO
橘はまだ、これでは終わらんとばかりに語る。

「勿論、自宅で親と暮らしていたり、または一人暮らしをしている人もいるはずだ。どちらにせよ大変ですから病院に解放されるまで保護という形で運ばれると思います。」

それなら、なおさら安心は出来るが、それなら一時的に電源を抜くことになるからと思い橘に訪ねた。

「病院に運ぶなら、一時的に電源は抜かれるわけだから、私達はここから抜けれるんじゃないの?」

橘が一瞬笑ったかのように見えたが、すぐにそんな面影は消え言い出した。

「勿論、そんな簡単な抜け道は作りませんよ。説明書等には書きませんでしたがあのCasqueの重さの約4割が蓄電式のバッテリーなのです。それにより、2時間の未接続が可能なのです。」

説明書に書かないなんて違法じゃないかと思ったが、やられた後じゃあ何も言えない。

「あ、それとあなた達にプレゼントを用意したから開いてみるといいよ。それでは、諸君の健闘を祈ってるよ」

とだけ言い残して消えてしまった。
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